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ノルウェーの戯曲家イプセンの『人形の家』を読んだ。

この話と『幽霊』などで描かれている、イプセンの「絶対的な価値観」に疑念を抱く事ができる自由がある、という思想に感銘を受けて以来、ちょくちょく彼の著作を読みなおしては心の浄化をはかっている。

この「絶対的な価値観」というものが実に興味深いもので、この本の主人公の場合だとそれが「娘」というものを耽溺した「父」であったり、その「娘」を「妻」として可愛がる「夫」である。つまり、「父」や「夫」の価値観に主人公が支配されるという事だ。

この「父」や「夫」を他の言葉に当てはめたらどうだろうか?「宗教」なんかが一番手っ取り早く理解できるだろうと思う。「伝統」でも良いし「歴史」でも良い。

1879年にこのようなシナリオが発表された事は、北欧ならではの事なんだろうか?誰も触れたがらない灰色の領域に挑んだイプセンはリベラルな人だと思う。そんな考え方をできたのが、心から羨ましく思う。
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